前回のアリ塚と見た目には変わらないかもしれないですね。
【あらすじ】
表の社会から外れたホームレスと異常なルールを守ることで生き延びてきた家族と歪んだ家系の業を背負った少女の奇妙な関係が湿った洞窟の内部で繰り広げられる。
小高い丘にお屋敷が立っている。その街では名の知れた富豪の住む家だ。その崖下に、茂みに入り口を隠された洞窟があった。
戦時中使われていた防空壕。そこにホームレスがやってくる。
雨露を凌ぐのに最適だと思ったのも束の間、すぐに異変に気づく。
ランタンがぶら下っており、下にはまだ使って間もない皿も転がっている。
すでに先客かと思っていたら一人の少女が奥から出てくる。
「おじさん安心して。ここは爆撃機の攻撃も効かないんだから」
昔街が戦火に覆われた際に、大勢の人間がこの洞窟に隠れ住んでいた。
そして屋敷の主人は屋敷とこの洞窟を繋げる穴を掘り、気まぐれに食料を与えに来ていた。
避難していた人たちは、彼を神のように扱った。彼の配給が生きる為に必要だったからだ。
主人は意味も無く暴力を振るうことも少なくなかった。女を召抱える為にも洞窟へ通った。
外は戦火、彼らは神を選べなかった。
主人の気に入った人間以外は徐々に淘汰されていった。そこは外と隔離された空間と成っていった。
そして現在。とうに戦争が終わったことを知らない両親とこの洞窟の中でしか生きてこなかった少女だけが今も飼われていたのだ。
ホームレスは事実を伝える。だが、ルールを守ることが生きていく条件だと染み付いてきた彼らは外へ出たがらない。
そこに屋敷へと繋がる扉が久しぶりに開く。そこに現れたのは屋敷の娘だった。
何気なしに見つけた隠し扉を開けて行き着いた先は、大叔父が隠し続けてきた業そのものだった。
展開としては、屋敷の娘が家族への侘びをしようとするが、家族は大叔父の折檻を待っている。さすれば食事や本などの「ご褒美」が与えられるのを知っているからだ。
だが大叔父はいない。行方不明になっているという。
家族は今まで拠りすがっていた存在がいないという事実に不安になる。ホームレスはどさくさに乗じて、なんとかこの家族のように、働かずに生きていけるようにここに住まうことを画策する。
娘は何でも言う事を聞くと申し出る。ならば我々を折檻してくれと願い出る家族。そんなことをしなくても食べ物でも何でもあげるというが、そのような無条件でのご褒美が今まで無かったので、とてもでは無いが受け取れずにいる。
懇願する家族を、泣きながら折檻する娘。
その頃ホームレスは、自らが来た出口も屋敷へと通じる扉の向こうの通路も、塞がっていることに気づく。
これは急に思いついたクチですね。ここ最近ふっと浮かびました。
あまりに色々思いついたので、これは本当に近々やるかもしれません。これをどれだけ重くなりすぎないようにやれるかが鍵だと思いますね。